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秋祭りが終わり、つるぎ町(旧半田町)周辺でそうめんの庭干し(かどぼし)が見られると、もう冬の訪れです。徳島市から西へ約52キロ、吉野川中流域南にそうめんの里・半田はあります。
半田そうめんは江戸時代からの歴史があり、三百年余前に吉野川の船頭が運搬の少ない冬場の仕事として、奈良の三輪地区から技術を持ち込んだのが始まりといわれています。吉野川を上下する平田船により、原料の小麦粉、塩、油を手に入れることは簡単でした。半田は平らな土地が狭く、傾斜地が大部分を占めていたので農産物には適しない地形でしたが、県内を東西に流れる清流吉野川の伏流水、標高千メートル以上の山々が連なる四国山脈から吹き降ろす冷風という自然条件が整っていたため、全国で有数の手延べそうめんの産地になりました。
一月から三月までの乾燥した冷風に干された寒ぞうめんは、そうめんの中でも贅沢な逸品。半田独特の麺線が太い半田そうめんは、代々の知恵と努力、そして自然が育んだ伝統の味です。



麺線の太い半田そうめん。一般的なそうめんは直径約1.3ミリ未満ですが、半田そうめんは約1.4ミリから1.6ミリ。その太さの理由は、その昔、吉野川の船頭が冬の仕事の少ない時季に、奈良の三輪から技術を持ち込み、自分たちで食べるためにつくったものが原形になったといわれています。自家用なので手間をかけず、本来のそうめんの細さにまで延ばす必要がなかったのです。そして、国の定める基準ではひやむぎに分類されてしまう太さですが、三百年余続く伝統製法と技術の継承により、つるぎ町(旧半田町)で作られたもののみが半田そうめんと認められています。半田の風土を象徴する半田めん。船頭が食べていたあの頃のまま、太い麺のそうめんが今もこの地に守られ、受け継がれています。

麺線の太い半田めんだからこそ、おいしい理由があります。寒い季節、あったかい鍋に入れて煮ても、また炒めても伸びにくく、麺のうまみが味わえるのは、半田めんならでは。そのコツはゆで方です。冷やして食べるときは表示通りの6分ゆでですが、温かく調理するときは、再度温めるので5分ゆでにします。少々芯があっても大丈夫。ちょっと固めの麺は、煮るとつゆが程良く染み込んで、噛むごとにつゆの味と小麦の風味が広がり、モチモチの食感とのど越しが楽しめます。
※写真(左)他の産地のそうめん1.3mm以下
(右)半田めん1.4〜1.6mm



まっ白な細い麺がいくつも連なり、垂れ下がっている風景はまるで美しい滝のよう。この庭干しの風景は、半田の冬の風物詩です。
まだ暗い朝三時、半田めんづくりが始まります。小麦粉と塩水を練り混ぜ、熟成と延ばしを何度も繰り返していきます。熟成の状態、延ばしの撚り(より)の強さを確かめるのは、古くから受け継がれた手延べの製法を守る職人の技。毎日の気温と湿度をみながら長年の経験を活かし、おいしい麺をつくり上げていきます。ゆっくり時間をかけてつくった麺も、多少ふぞろいな麺が混ざることがありますが、これも手延べの特徴なので楽しく召し上がってください。小野製麺では安定した良質な麺をつくるため、これらの工程を衛生的な地下室で行っています。変わらぬ味と安心をお届けするため、機械化されている部分もありますが、つくる過程には必ず熟練した職人の経験が活かされています。
手延べそうめんは昔から、贈り物としても重宝されてきました。それは、ほかの麺と違って細くするために刃物を使わず、手で引き延ばしていくことから縁起物とされてきたからです。大切な方の健康と幸福を願って贈る半田めん。先様に喜んでいただける贈り物です。

手延べ製法は、生地をひたすら一定方向に延ばして細い紐状にしていきます。この延ばしと熟成を繰り返し、延ばすと同時に撚り(より)をかけながら麺状にすることで、麺棒で伸ばしてつくる手打ちにはない、手延べ独特のコシの強さが生まれます。そして、刃物を使わないので断面が丸くなり、のど越しも良くなります。コシの強さとツルツルの滑らかな食感が楽しめるのは、手延べ麺ならではのおいしさです。
手延べの製造工程を
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そうめんの主原料は小麦粉と塩、そして水だけ。だから、おいしい麺をつくるためには原料の品質にこだわります。粉は厳選された小麦粉を贅沢に使い、麺に最適なオリジナルの粉に北海道産の小麦粉をブレンド。小麦のうまみを活かした最高の味を出せるよう、季節ごとに調整は欠かしません。モチモチした歯ごたえとコシを生む塩は、世界三大潮流の鳴門海峡から採取した海塩。これらの粉と塩を練る水は、吉野川の良質な地下水を汲み上げて浄水器で精製した水を使用しています。そしてもうひとつの大切な素材は、風。熟成と延ばしを繰り返して最後に2メートルにまで引き延ばした麺は、標高千メートル以上の四国山脈から吹き降ろす冷風をとり入れてじっくり乾燥させます。こうして生まれた半田めんは、まさに阿波徳島の豊かな自然に育まれた天与の味です。

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主原料の小麦粉は種類や性質を吟味し、麺に最も適したものを厳選しています。噛むほどに広がるふくよかな香りや豊かなうまみ、半田めん独特のおいしさをつくります。
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半田めんのコシとなる塩は、ミネラル豊富な鳴門の塩。海峡の激流が新鮮な海水を運び、潮の満ち引きの差が大きく、雨が少ない土地が生んだ海塩です。

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日本百名山にあげられる剣山とその山系から流れ出た豊富な水は、険しい山々の間をぬって岩盤にしみ込み、落葉に濾過(ろか)され、吉野川に流れ込みます。この伏流水を汲み上げ、ゆっくり丁寧に精製したものが半田めんのうまみとなります。
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