四国・吉野川の魅力とは？清流が育む自然と歴史、食文化を紹介

四国を流れる一級河川「吉野川」。
半田めん（半田そうめん）にも吉野川の伏流水が原料として使用されています。
清流・吉野川はかつて「四国三郎」と呼ばれる暴れ川であり、徳島及び四国の地域の歴史や文化に大きな影響を与えてきました。
今回はこの吉野川について、歴史やそうめんづくりとの関係についてご紹介させていただきます。

吉野川とは？四国を代表する清流の魅力

吉野川は高知県と愛媛県の県境付近にそびえる瓶ヶ森（1,896m）から始まり、四国山地を横断し徳島平野へ出たのち、紀伊水道へ注ぐ一級河川です。
四国全域の約20％の広さとなっており、香川を除く3県にまたがる四国を代表する川の一つです。
吉野川の流域には石鎚国定公園や剣山国定公園などがあり、豊かな自然に恵まれた環境となっています。
（参照サイト：国土交通省「吉野川河川概要」より）

吉野川下流の徳島県にとっても、社会・経済・そして文化面においても大きな役割を果たしてきた重要な存在です。
次に、吉野川と四国の歴史をご紹介します。

吉野川の歴史と文化｜「四国三郎」呼ばれた日本三大暴れ川

四国三郎とは吉野川を呼び表す別名です。この名前は日本三大暴れ川に数えられたことから由来しています。
日本三大暴れ川というのは関東平野を西から東へ横断し日本一の流域面積を誇る「利根川」、九州４県を流れる「筑後川」、そして四国の「吉野川」のことを指します。

この3つの河川をそれぞれ3兄弟として表し

• 坂東太郎（利根川）
• 筑紫次郎（筑後川）
• 四国三郎（吉野川）

と命名されています。

徳島と吉野川の洪水被害

四国４県の内、香川県には吉野川が通っていません。
それゆえに昔から讃岐の国（香川県）では水不足による渇水に悩まされました。
それとは反対に、吉野川下流の徳島県は何度となく洪水によって家、農地、畜産と多くの被害を受けてきました。

藍栽培の発展

洪水の影響で水田を作れない代わりに目を付けたのが「藍作」であったと言います。
台風シーズンを前に収穫ができる上、台風の影響で起きる洪水は藍を育てる畑に肥沃な土を流し込み「同じ畑で育てることが難しい」とされる藍の連作を可能としました。
徳島の村々に甚大な被害をもたらした吉野川の氾濫を逆手に取った藍栽培は発展を遂げ、
現在でも藍染や藍を活用したお菓子など、徳島の文化面を支えています。

半田そうめん作りと吉野川｜山からの寒風と清流の恵み

半田めん（半田そうめん）の原料の一つである水は、吉野川の伏流水を使用しています。
徳島県美馬市にある半田地区ではおよそ300年以上前からそうめんづくりが行われ、現在にいたるまでその技は脈々と受け継がれています。
なぜ、半田地区でそうめんづくりが根付いたかというと、四国山地から吹き付ける「寒風」、そして吉野川がもたらす「清らかな水」というそうめんづくりに最適な環境下であったことが大きく、コシが強く食べ応え抜群の太麺が地元で愛されてきました。

（夕暮れの吉野川）

吉野川の水が育む徳島の食文化

生産量日本一！徳島スジアオノリの生産

スジアオノリは青のりのなかの最高級品といわれ、香り高い磯の風味ととろけるような食感が評判の海苔です。
徳島県が生産シェア1位を誇り、スジアオノリの養殖は吉野川の河口から～8㎞にわたり各所で行われています。

夜の吉野川に灯る美しいシラスウナギ漁の風景

毎年12月の中旬から4月にかけてみることのできるシラスウナギ漁。
海からの潮にのって吉野川上流へと遡るシラスウナギを狙う舟にはライトが付けられ、真っ暗な水面に何隻もの舟が明かりを灯す美しい光景は「とくしま市民遺産」にも選定されています。
また、徳島県では吉野川の地下水を使用したウナギやアユの養殖も行われるなど、清流を活かした食文化が広く根付いています。

吉野川は観光・アウトドア（ラフティングや川遊び）スポットとしても人気！

吉野川は現在観光スポットにもなっています。
徳島県の大歩危、小歩危付近では「日本三大暴れ川」の名前を表すような激流を活かしたラフティングが人気です。
吉野川の激流によって形成された渓谷から見渡す景色は自然が生み出す天然の「大理石の彫刻」ともいわれており、桜や紅葉など、四季の変化を楽しむことができますので、四国を訪れる際にはおすすめの観光スポットです。
大歩危小歩危は2018年に国指定の名勝に登録されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか？
吉野川は四国、特に徳島の文化・歴史と共にあり続けるとても重要な河川です。
吉野川からの恵みを受けて徳島の特産品や食文化も発展してきました。
半田めん（半田そうめん）もまた吉野川の恵みからつくられるこの土地ならではの味です。
ぜひ半田そうめんをご利用いただき、徳島の自然の幸と文化を感じていただければ幸いです。