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2022.11.04

料理

そうめんと冷麦の違いは?太さ・製法・食感などわかりやすく解説

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そうめんと冷麦(ひやむぎ)の違いを明確に答えられる方は、そう多くはないかもしれません。
その理由として、見た目が似ているだけでなく、製法や原材料にも共通点が多いことが挙げられます。
そんなそうめんと冷麦ですが、両者の違いを知ることで、味覚や楽しみ方により深みを出すことができます。
今回は、太さや製法、食感と麺の色、歴史と文化など、そうめんと冷麦の違いについてご紹介します。

そうめんと冷麦の違い【6つのポイント】

まずは、そうめんと冷麦の違いを比較してみましょう。

そうめん 冷麦
麺の太さ
※JAS(日本農林規格)の規格
直径1.3mm未満
(手延べ干しめんの場合は、直径1.7mm未満まで)
直径1.3mm~1.7mm未満
製法 ●機械製法で作る「乾麺類」
薄く伸ばした生地を機械刃で麺状に細く切ってから乾燥
●手作業で作る「手延べ麺」
生地を手作業で薄く伸ばしながら麺状に細くしてから乾燥
機械製法と手作業のどちらもあるが、どちらも刃物を使い細く麺状に切ってから乾燥
食感 ツルっとした喉ごしを強く感じられる 麺のコシや歯ごたえを感じられる
麺の色 基本は白
(最近ではさまざまな色合いのそうめんも増えている)
基本は白
(昔はそうめんと区別するために数本だけ緑やピンクなど色付きの麺が入れられた)
カロリー
(100gあたり)
そうめん・ひやむぎともに、乾麺:333kcal、茹で麺:114kcal
茹で時間 約2分 約4分
歴史と文化 奈良時代に中国から伝わった「索餅(さくべい)」という唐菓子がルーツ
七夕に食べる習慣が親しまれている
室町時代に食べられていた「切麦(きりむぎ)」がルーツだという説がある

参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年:文部科学省 (mext.go.jp)
〈推定値〉
次に、違いを詳しく解説します。

違い1:麺の太さ

そうめんと冷麦のもっとも大きな違いは、麺の太さです。
それぞれの太さは、JAS(日本農林規格)の規格によって基準が定められています。

そうめんの太さ

JAS規格では、そうめんの太さは1.3mm未満と定められています。
伝統的な製法でつくられるそうめんは、糸のように細く伸ばすのが特徴です。
なお、日本でもっとも細いそうめんは、直径がわずか0.3mmしかありません。
細いそうめんを作るには熟練した職人技が必要で、細くなるほど高級品であるとされています。

冷麦の太さ

冷麦の太さは、JAS規格で直径1.3mm以上1.7mm未満と定められています。
ただし、この規格は「乾めん類」で定められた規格であり、「手延べ干しめん」の場合は、直径1.7mm未満であれば、「手延べそうめん」と「手延べ冷麦」のどちらを表示してもよいとされています。
なお、直径1.7㎜以上の小麦粉を原料とした麺は、「うどん」と表示しなければいけません。

違い2:製造方法

そうめんと冷麦は、原材料はほぼ同じですが、製造方法に違いがあります。それぞれのつくり方を解説します。

そうめん

そうめんの製法は、「機械製法で作る乾麺類」と「手作業で作る手延べ麺」の2種類あります。
機械製法では、小麦粉に水と塩を馴染ませ、薄く伸ばした生地を機械刃で麺状に細く切ってから乾燥させてそうめんを作ります。
対して手作業で作る手延べ麺の場合は、小麦粉に水と塩を馴染ませた生地を、手作業で薄く伸ばしながら麺状に細くしていき、最後に乾燥させます。
特徴の違いとしては、手作業の場合は断面が丸くなっており、機械刃で切る場合は断面が四角になっています。

冷麦

冷麦の製法は、小麦粉に水と塩を馴染ませ麺棒で薄く引き伸ばしていき、専用の刃物で細く麺状に切って作ります。
手作業の場合も刃物を使って麺の形を形成するので、断面がそうめんの機械製法で作られたような四角い形をしています。
ただし、そうめんも冷麦も製法が多様化しているため、製法や断面だけではそうめんと冷麦の違いを判断するのは難しくなっています。

違い3:食感

そうめんと冷麦は、麺の太さや製造方法が異なることから、食感にも違いがあります。

そうめん

そうめんは、歯切れのよい食感とつるっとした喉ごしが特徴です。
理由は、そうめんの製造方法にあります。
そうめんは製造の途中で乾燥しないように、生地に油を塗ってから手延べを開始します。
できあがったそうめんは、倉庫で寝かして熟成させるのですが、その過程で油が脂肪酸に変化し、麺に水分が含まれにくくなるのです。
そのため、麺が硬めに茹で上がり、歯切れのよい食感になります。

冷麦

冷麦は、そうめんよりもやや太いため、歯ごたえがしっかりしており、食べ応えがあります。
また、そうめんが喉ごしを楽しむのに対し、冷麦はもちもちとした麺のコシを楽しむのが特徴です。
さらに、ある程度太さもあるため、満足感も得られます。
そうめんでは物足りないけれど、うどんでは少し量が多すぎるというときは、冷麦がおすすめです。

違い4:麺の色

そうめんと冷麦は、どちらも同じ白色です。
しかし近年では、さまざまな色のそうめんや冷麦が作られるようになりました。

そうめん

そうめんの色は、基本的には白色です。
しかし最近では、梅を使った赤色のそうめんや、青じそをつかった緑色のそうめん、カボスを使った黄色のそうめんなど、さまざまな色のそうめんが販売されるようになっています。
何色かのそうめんがセットになっているものは、贈り物としても人気の高い商品です。

冷麦

冷麦は、そうめんと同じく基本は白色ですが、ピンクや緑の麺が数本入っているのが一般的です。
色付き麺が入れられている理由は、昔の販売方法にあるとされています。
かつて、そうめんと冷麦、うどんは同じ木箱で売られていました。
そのため、麺の種類が一目で見分けられるように、中間の太さの冷麦に色付き麺を入れていたそうです。
その名残で、冷麦には色付き麺が入っているのだといわれています。
しかし最近では、そうめんでも色付きのものが売られるようになっているため、色だけで両者を見分けるのは難しいかもしれません。

違い5:茹で時間

そうめんと冷麦は、麺の太さが異なるため、茹で時間にも違いがあります。

そうめん

そうめんの茹で時間は、1分半から2分程度が目安です。
三輪そうめんの茹で時間は2分ほど、島原そうめんは1分半から2分と、そうめんの種類によって最適な茹で時間は異なります。
茹でる際は、大きなお鍋にたっぷりとお湯を沸かします。
湯量の目安は、麺一束(50g)に対して、600mlです。

冷麦

冷麦はそうめんに比べると麺が太いため、茹で時間も4分から5分と、そうめんよりも長めです。
また、冷麦は茹でても麺が伸びにくいため、多少煮込んでも食感が損なわれず、おいしくいただけます。
茹であがったら冷水で冷やしながら洗い、表面のぬめりを取ることで、コシのあるおいしい冷麦になります。

違い6:歴史と文化

そうめんと冷麦には、生まれた時代や背景の違いなど、歴史と文化にも大きな違いがあります。

そうめん

そうめんのルーツは、奈良時代に中国から伝わった唐菓子の「索餅(さくべい)」にあるといわれています。
索餅は、小麦粉をこねて縄状にしたもので、主に寺院や宮廷などで食べられていたと考えられています。
その後、室町時代になると、現代のそうめんに近い形となり、江戸時代に入ると庶民の間にも普及するようになりました。
旧暦の7月7日には、健康を願う儀式のお供え物として索餅が用いられていたため、今でも七夕にそうめんを食べる習慣が、広く根付いています。

冷麦

冷麦は、室町時代に食べられていた「切麦(きりむぎ)」という食べ物がルーツだといわれています。
切麦も、索餅と同じく中国由来の食文化の影響を受けて発展し、江戸時代には庶民にも広く食べられていたそうです。
かつては、温めて食べるものを「あつむぎ」、冷やして食べるものを「冷麦」と呼んでいましたが、現代では「冷麦」の方が、一般的に認知されています。

そうめんと冷麦の共通点

これまでそうめんと冷麦の違いをご紹介してきましたが、共通点もあります。

原材料

そうめんに使われている原料は、小麦粉と水、塩と油です。
対して冷麦に使われている原料は、小麦粉と水、塩となっています。
製法によっては冷麦にも油を加えることがありますので、ほとんど同じ原料を使用しているといえます。

カロリー

文部科学省が発表した「日本食品標準成分表」によると、そうめんと冷麦のカロリーは、どちらも100gあたり乾麺で333Kcal、茹で麺で114Kcalです。 
カロリーは、製品やブランドによって、若干の違いがあるため、上記は大まかな数値です。
どちらも茹でることで水分を吸収して重量が増えるため、その分カロリーが分散されます。
参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年:文部科学省 (mext.go.jp)〈推定値〉

そうめんと冷麦の見分け方

そうめんと冷麦を見分けるには、麺の太さを比べるのが一番わかりやすいでしょう。
両者を比べて、麺が細い方がそうめん、太い方が冷麦です。
また、麺の断面で見分ける方法も有効です。
手延べそうめんの場合、最終工程まで麺をカットしないため、断面が丸くなっています。
一方冷麦は、機械製法でも手延べ製法でも、刃物を使って製造過程で麺をカットして形成するため、麺の断面が四角くなるのが特徴です。

そうめんと冷麦の食べ分け方

そうめんと冷麦のそれぞれを、よりおいしく召し上がっていただくためにも、料理方法や食べるシーンに使い分けるのがおすすめです。

さっぱり食べたいときはそうめん

喉ごしがよく、つるっとした食感のそうめんは、暑い夏や少し胃腸が疲れているときなど、さっぱりしたものを食べたいときに重宝します。
また、茹で時間が短くさっと用意できるため、時間がないときの食事のほか、夜食や軽食にもおすすめです。
さらに、そうめんは味わいが淡白で、薬味の風味を引き立ててくれるため、いろいろな薬味を楽しみたいときにもよく合います。

食べ応えを重視するなら冷麦

そうめんよりも太く、コシのある冷麦は、そうめんでは少し物足りないときや、しっかり食べて満足感を得たいときにおすすめです。
また、少々煮込んでもコシが損なわれないため、寒い日に熱々の出汁でおいしくいただけます。
ぶっかけや釜たまなど、うどんと同じアレンジも可能なため、うどんだと少しボリュームが多すぎるというときは、冷麦で代用できます。

そうめん・冷麦とほかの麺の違い

それではここで、そうめん・冷麦とそのほかの麺の違いについても考えてみましょう。

そうめん・冷麦とにゅうめんの違い

にゅうめんは、温かい出汁でいただくそうめん料理です。
にゅうめんは、奈良県の郷土料理ともいわれており、茹でたそうめんに温かい出汁をかける方法と、温かい出汁でそうめんを煮る方法の二通りの作り方があります。
しいたけやエビなど、さまざまな具材と一緒に食べるのが特徴で、奈良県以外でも、徳島県の半田や熊本県の南関といったそうめんの産地では、寒い冬の定番料理として親しまれています。

そうめん・冷麦と半田めんの違い

半田めんは、そうめんの一種ですが、一般的なそうめんと太さが異なるのが特徴です。
半田めんの太さは、直径1.4~1.6㎜で、JAS規格では、冷麦に分類されます。
しかし、半田めんは、江戸時代から長く続く伝統と、地域に根付く麺文化が高く評価され、そうめんに分類されることが認められたのです。
半田めんの魅力は、コシの強さと喉ごしのよさにあります。
また、煮崩れしにくいため、温かい出汁でも冷たいつゆでもおいしく食べられます。
いわば半田めんは、そうめんと冷麦の「よいとこ取り」した麺であるといえます。

そうめんと冷麦に味の違いはある?

そうめんと冷麦の使われる材料はほとんど同じです。
上述したようにそうめんには油が使われ、冷麦には使われないという違いはありますが、製法によっては冷麦にも油を加えることがあります。
風味に若干の違いを感じることがありますが、そうめんと冷麦に大きな味の違いはありません。
しかし前述した通り、太さの違いによって、ツルっとした喉ごしと歯ごたえのどちらを好むかは人それぞれです。
半田そうめんは直径1.4mm〜1.6mmの太さなので、ツルっとした喉ごしとモチモチの食感の両方をお楽しみいただけます。

半田めん(半田そうめん)と一般的なそうめんの太さの違い

(左)他県産そうめん  (右)徳島・半田そうめん  

前述したとおり、半田めん(半田そうめん)は、一般的なそうめんよりも直径が太い点が特徴です。

一般的なそうめんの太さは直径1.3mm未満ですが、兵庫県龍野市で作られるそうめん「揖保乃糸」は、最高級品が直径0.55〜0.60mm、太めの種類でも直径0.90〜1.10mmと、全体的に細めです。
奈良県桜井地方を中心とした三輪地方の特産品である三輪そうめんも、麺が細く、直径約0.3㎜のものもあります。
さらに、熊本県南関町で作られている南関そうめんは、もっとも細いそうめんで、0.2~0.3㎜ほどです。
一方、半田めんの太さは、直径1.4mm〜1.6mmと、一般的なそうめんよりも太く、この太い麺から生まれる独特のコシと喉ごしが、半田めんの魅力です。

まとめ

一見すると似ているそうめんと冷麦ですが、太さや食感、歴史や文化などさまざまな違いがあります。
それぞれの特長を知ってから食べ比べてみると、おいしさの違いを楽しめるはずです。
半田めんは、コシのある食感とつるっとした喉ごしの両方を味わえます。
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